【健康】ロコモティブシンドロームを知っていますか?
◆ロコモティブシンドロームとは?
ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、「運動器(骨、関節、筋肉、神経 などの総称)」の機能に障害が起きて、立つ・歩くといった「移動機能」が低下した状態のことをいいます。
すべての運動器は単独で機能しているのではなく、連携して働くことで体を動かすことができる仕組みになっていますが、運動器のどれかひとつでも故障したり連携がとれなかったりすると、その影響は体全体に及 び日常生活動作に支障が出ます。
そのためロコモが進行すると、要介護や寝たきりを招く恐れがあるのです。
40歳以上を対象とした調査によると、ロコモは予備群を含め約4,700万人と推計されているそうです。
◆ロコモの原因は?
運動器は加齢によって衰えていきます。
ただし、ロコモには運動不足や栄養の偏り、肥満、やせすぎなど生 活習慣も大きく関わっています。
エレベーターやエスカレーター、自動車など便利な移動手段の利用によっ て、現代人は体を動かす機会が減る一方です。
運動習慣のない生活を続けていると、徐々に運動器は衰えていきます。
体を動かさなくなると、体重が増えて肥満を招きやすかったり、筋力が低下すると膝や腰などの 関節に大きな負担がかかり、慢性的な関節痛を引き起こしやすくなります。
また、やせすぎると、体を支える骨や筋肉も弱くなってしまい、骨折などが起こりやすくなります。
ここが一番問題で、 痛みや骨折など で思うように体が動かせないと、ますます体を動かさなくなるという悪循環が起こります。
その結果、自分の足で立ったり歩いたりすることができなくなり、介護が必要な状態になってしまうのです。
◆痛みの放置が一番危険! 寝たきりの原因第1位は「運動器の障害」
「腰が痛い」「膝が痛い」「背中が丸くなった」などの症状があっても、本人も周囲も「年のせいだから」 「今は忙しいから」「何とかなるだろう」を理由に改善に取り組むことなく症状を放置しがちです。
すると、運動器の衰えはますます進行し、ロコモの危険性が高まります。
ロコモと特に関係が深く、高齢者に多い運動器の病気には、「変形性膝関節症」「変形性腰椎症」「骨粗しょう症」などがあります。
すでに腰や膝に痛みやしびれなどの症状がある場合は、改善に向けた適切な取り組みが必要です。
◆50歳以降は体の衰えが顕著になる! ロコモ対策は正しい「運動」と「食事」!
人間の筋肉や骨の量は20~30代でピークを迎えますが、運動習慣がなければ、その後は徐々に低下していきます。
特に50代以降になると、加齢による衰えに加え、怪我や病気などをきっかけにロコモに陥るリスクが一気に高まります。
特に女性は、ホルモン代謝の関係で50代を過ぎたころから骨密度が急激に減少することが多いので、転倒・骨折などに注意しなければなりません。
そのためには自分の体を支えるための筋力・ バランス・柔軟性を維持することや、栄養バランスの取れた食事をすることが重要です。
運動器は、体の中で自分の意思によって動かせるただひとつの器官ですし、さらに骨と筋肉は、自分の意思で鍛えることもできます。
つまり、ロコモに陥るかどうかは、生活習慣や意思に大きく依存していると言えます。
衰えてから鍛えるのは精神的にもしんどく、選択肢も少ないのでロコモ対策は遅くても40代から始めるべきでしょう!