Column お役立ちコラム

【健康】睡眠の質が人生を決める! Part 1

◆睡眠不足ではなく睡眠負債!?

睡眠が足りていないことを「睡眠不足」ではなく「睡眠負債」と表現します。

これはただ睡眠時間が足りないのではなく、それによって簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていくという意味を含んでいます。借金の返済が滞って、利息も重なり、元金の返済だけでは首が回らなくなりどうにもならなくなっていく…。

例えるとこんなイメージです。寝てはいるが、気づかないうちに溜まる「眠りの借金」が睡眠負債です。日本には、睡眠負債を抱える「睡眠不足症候群」の人が多いと言われています。

フランスの平均睡眠時間 8.7時間
アメリカの平均睡眠時間 7.5時間
日本の平均睡眠時間 6.5時間

日本人には、睡眠時間が6時間未満の人が約40%もいると言われています。ミシガン大学が2016年にインターネットで行った調査では100国中、日本の睡眠時間は最下位にランクされたそうです。

また、東京の平均睡眠時間は5.59時間。世界の都市でダントツに少なく日本では都会に住む人ほど眠れていないということです。遺伝的にショートスリーパー(短時間睡眠)は存在しますが、睡眠の時間は意識して作らなければいけませんね。

◆「寝溜めしたい」と感じるのは脳のSOSサイン!

毎日4~5時間の睡眠で健康で過ごしいて、頭も冴えている人はショートスリーパーの遺伝子を持つ可能性が高いので、無理にたくさん眠る必要はないと言われています。

しかし、短時間睡眠が続くと辛いという人、 「最近毎日寝不足で、今週末は寝溜めするぞ!」と感じている人は、それは脳からのSOSサインで、睡眠負債が雪だるま式に膨らんでいっているかもしれません。

◆週末の寝溜めは効果があるのか!?

こんな実験があります。

健康な10人を14時間、無理やりベッドに入れて調査を行いました。

実験前の10人の平均睡眠時間は7.5時間。彼らには1日中好きなだけ寝てもらう。1日目はみな13時間、2日目もみな13時間近く眠っていましたが、その後は多く眠ることはできず、徐々に睡眠時間が短くなり、逆に5時間、6時間もずっとベッドの中で起きている状態でした。結局3週間後には睡眠時間は平均8.2時間に固定されました。これが10人の生理的に必要な睡眠時間だと考えられます。

この実験のポイントは理想の睡眠時間を知ることではなく、理想の睡眠時間8.2時間だとすれば、平均睡眠時間7.5時間の彼らは、長い間毎日40分の睡眠負債を抱えている。そして、正常な8.2時間に回復するのに3週間もかかってしまった。

つまり、40分の睡眠負債を返すには、毎日14時間ベッドにいるのを3週間続けなければいけないとうことで、これは非現実的です。週末の寝溜めだけでは睡眠負債は解消できないのです。

◆入眠から最初の90分の睡眠が最も重要!

 健康な人の場合、目を閉じてから10分未満で入眠します。心拍数が徐々に落ち着いて、交感神経の活動が低下し、副交感神経が優位になり体がオフモードになっていきます。睡眠には、スリープサイクルというものがあり、入眠後比較的短時間で一眼深いノンレム睡眠に辿り着きます。入眠後の最初の90分は深い眠りであるノンレム睡眠であり、この時間と質がしっかりと確保できればたくさんのメリットがあります。